清家農園みかん山通信(174号)令和7年12月号
月日が忙しなく過ぎてゆく様子を「烏兎匆匆(うとそうそう)」というそうです。(スマホで調べました)烏兎は月日、匆匆は慌ただしいという意味との事です。全く持ってその通り。あれもせねばこれもせねばと焦っているうちに早師走です。ついこの間迄「暑い暑い」と言っていた日々がやっと終わったと思う間もなく、朝晩はフリースやダウンを着る気候になっています。慌ただしい毎日で気付かなかった庭のもみじも真っ赤に紅葉し南天も沢山の実を付け、山茶花も大部分を蔦に絡まれながら必死に咲いています。夏の高温が長く続いた今年は、殊に蔦や葛の勢いが凄くあらゆる樹を覆い尽くし滅ぼさん限りに繁茂しています。みかんも天辺まで蔦葛に覆われている樹もあります。人手が足りている農園はその様な事は無いのですが、我が家は減農薬栽培で除草剤や殺虫剤を全く使わず、息子一人が管理しているので、害虫も元気いっぱい「オッこのみかん山は居心地がいいぞ」と思うのか、わんさかやって来ます。お陰でせっかく植えた苗木もかなりのパーセンテージで枯れてしまいます。「たら、れば」の話で恐縮ですが何事もササッとこなしていた夫の永遠の不在は痛手以上のものがあります。でも嘆いていても始まりませんのでスローリーな私と私の血を多分に受け継いだらしい息子とたった二人でなんとか産直を続けています。体は正直に老いつつあり、今日はこれだけの仕事をしようと思っても半分も達成できないのですが、遊びたい欲求は増すばかり、食欲は衰え知らず、口も減らず、むしろ年々口数が増えている気がします。息子の仕事振りに口を挟まなければ良いのに、ついつい余計なことを言ってはうるさがられています。息子の傍らに「うるさい年寄の言うことなんか無視すればいいわ。あなたが一番よ」と言ってくれるパートナーが居てくれたら息子も働きがいがあると思いますし、私も嬉しいのですが、居ません!よく鉄女とか歴女と聞きますが、農女もそこかしこにいるらしいですのに、、、、、、、、
昔は農家の嫁といえば大事な働き手とされよく働くお嫁さんが良い嫁と言われていましたが、今はその様な理不尽な事はなく、ご近所の若いお嫁さんたちは、農業はやらず、ほとんどパートに出ています。私が結婚した50年以上前の時代は子供が小学校に上がると皆当たり前のようにみかん山で働いていました。間もなく真珠養殖が盛んになり、とても景気が良かったので、若嫁達は現金収入が得られ、自分の自由になるので、我も我もと真珠の珠入れパートに行くようになりました。私はせっかく愛媛の蜜柑山に嫁に来たのにパートに行くのは嫌だと言って、みかんの産直を始めました。農協から疎まれたり色々苦労もありましたが働き者の夫と力を合わせてやってきました。と真面目なようですが、結構世界中夫と旅行し、楽しくボランティアをし、一人になった今は、忙しいと言いながら趣味にも精を出しています。
お隣から株分けして貰い、亡き夫が植えた皇帝ダリアがあたりを明るくして空に向かって見事に大輪の花を咲かせ、まるで見守ってくれているようです。
ケセラセラと言へどせかせか十二月