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2025 (令和7年)
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清家農園みかん山通信(166号)令和7年1月号昨年は数十年来のみかんの不作で皆様にご迷惑をお掛けしました。お詫びいたします。ホームページに「完売」つまり「売り切れ」と、載せて、初めて12月の始めにご注文の受付を止めなければなりませんでした。沢山穫れたみかんを「いかがですか」とお勧めするよりも、折角ご注文をいただきながら「みかんがございません」とお断りする事はとても勇気が要り神経を使いました。私は人様と接する事が苦にならず、何かをお膳立てするのが好きなので、実力も考えずにJICAの青年招聘を何回も引き受けたりしていました。自分の中ではコーディネーターに向いていると勝手に思い込んでいましたが、夫やJICA仲間が陰になり日向になり協力してくれていたからこそ出来たのだと改めて思い知りました。昨年末は、肉体よりも精神的に、ハードワークだったと感じました。仕事の方向性を決めなければならない時に、私がグズグズ考えていると、ズバッと本質を突いて来た夫が写真に収まって微笑んでいるばかりになってしまったので営業係おババの私はパソコン画面と予約注文ノートのご希望キロ毎の注文数を数え、計算機を叩き、みかんの収穫量と注文数との関ケ原の様なせめぎ合いが夢にまで現れた綱渡りの12月でした。経営主である息子は収穫と箱詰めに必死でなかなか営業全般迄担う程の余裕が無く3人体制の1人が欠けるとこうなるのかと痛いほど判りました。 アメリカのみならずヨーロッパの政治にまで口を挟みだしたイーロン・マスクさんは息子と3〜4歳きり違わないのですが未だに独り身の息子と違い数え切れない程結婚や離婚をしているそうです。一国の予算を上回るような世界一のお金持ちで宇宙ロケットを飛ばし火星での事業迄視野に入れている人物と呑気な一介の農業後継者の息子を比べるなどというおこがましい事は考えていませんし、あの様な人になって欲しいとは全く思いませんが、私も後期高齢者、悪名高き団塊の世代ですので12ヶ月後の今年の暮れにも昨年末と同じように仕事が出来るとは限りません。私という存在が無くても清家農園が存続し続け、皆様にみかんをお届け出来ますように、息子には必死になって良い方法を考え、頑張って1日も早く実行して貰いたいものです。産直農家の魁として半世紀、一生懸命身を粉にして働いて仕送りし、アグリビジネスのマスター迄学ばせてくれた亡き父親(夫・善一)に今こそ恩返しを、と思うのは期待のし過ぎ、昭和世代の古い考え方なのかもしれません。いくら私がジタバタ心配してもそう簡単に事は運ばれそうもなく、他人事みたいですが、諸行は無常とやら、、なので、どうにかなり、何処かには流れ着くのでしょう。正直、小規模産直農家の生き残りを掛けた解決策は容易い事ではなく深刻ではありますが希望も有るはずと思う様にしています。
仏壇の夫の傍ら寝正月
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