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清家農園みかん山通信(93号)平成24年12月号

(ほんとのみかん 清家農園 http://mikanyama.com)

 しばらく会っていない孫達の顔を見たくて11月3日の吉田の秋祭りに娘ファミリーを誘いました。「じゃ帰るねー」と3人の子供達を連れて娘がやって来ました。ジイジこと善一も相好を崩して孫の守り。吉田の街は仙台藩譲り(伊達政宗の長男(側室の子)が初代宇和島藩主)の宇和島藩支藩、吉田藩の優雅な八つ鹿踊り、きらびやかな山車行列、勇壮な牛鬼、と勢揃い、孫達も「うゎースゴイ、うゎーきれい」と大喜び。綿あめで顔中ベタベタにして大満足。次の日はみかん山への道すがらどんぐり拾いに夢中。生後4ヶ月の末っ子あっ君は森林浴が気持ち良いらしく乳母車で爆睡しながら楽しい夢でもみているのか、にこにこ。あっ君を眺めていると時間が経つのも忘れ「ああ生きていてよかった。鮭じゃなくてよかった」とおもいます。お姉ちゃん二人はジイジの指導よろしくおみやげにするみかん狩りに興じ、野の花を摘み、意気揚々と松山に帰って行きました。孫も娘もそしてジジババもとっても幸せな2日間でした。
 幸せの余韻残る中、月半ばには、シーズンワークという宇和島市の主催する農家体験事業のホストファミリーを昨年に続き引き受けました。昨年は全日空の二人の美しいキャビンアテンダントでした。善一は大喜びで楽しそうでした。今年は大阪からの公務員の男性二人。私は散らかった部屋を片づけ掃除し夜具の準備と大忙し。料理下手ながら食事作りも奮闘努力致しました。善一は「男なら断れ」なんて言っていたのですが、いざ引き受けたら毎晩楽しそうに飲んでいました。おとなしい善良な方たちでした。日本の中に清家農園のみかん山を体験してみかんを好きになってくださる人が又二人増えたと思うと嬉しい限りです。
 なんと本日から12月です。昨日はみかん山の帰り道に無農薬無化学肥料で作っている野菜畑に寄り大根とカブをわき(密生しているのを適度の間隔に間引く)ました。ほとんどの家の大根はすでに大きくなって食べられるようになっていますが我が家の大根とカブは未だみそ汁の具に調度良い位の葉っぱ状態で、地下の大根やカブを食べられるようになるのはまだまだ先のこと。どうもいつも種蒔きが遅れてしまいます。10月頃にんにくの種を植えていると、隣の奥さんの貴ちゃんが通りかかって「恭子姉さん、にんにく植えよるの?どこで種を買うたん?」「農協に頼めばいいんよ」と答えつつ、植えるんやったらこれあげらい」とたった2玉の種にんにくをあげました。次の日には春菊の種も袋半分あげました。そして先日、貴ちゃんから立派な白菜と大根とカブを貰いました。種をちょっぴりあげて、種さえもあげていない立派な野菜を貰っては得し過ぎです。私の大好きな愛媛県宇和島の、大好きな吉田町のご近所はこんなにいい人ばかりです。
 ささやかで、何でもない日常を送れる大いなる幸せ。大好きなみかん山のてっぺんからは海を隔てて、原発のある半島が見えます。原発からちょうど30kmの線上に自宅もみかん山も位置しています。あの原発で何事か起こればお祭りも無農薬の野菜作りも、ご近所との野菜のやり取りも、いわんやみかん作りも出来無くなってしまいます。お隣の貴ちゃんのお孫さん達も私の孫達もどんぐり拾いどころか住むことさえままならなくなるでしょう。それでは孫達に対して申し開きができません。今の日本で電気を使わない暮らしは不可能ですが、皆が努力をして、極力無駄を省きエネルギーの使い方を質素にした生活を営み、原子力に頼らない暮らしをしなければと思います。が・・・現実は・・・・・我が家は太陽熱温水器だけ・・・・・・・・・・・・。
すみません!遅れている!(お隣はすでに太陽光発電をしている)
 かくして今日も誰かさん (大概、エネルギー垂れ流しの国USA帰りの某氏37歳) が点けっぱなしの電気を消しまくり、薪で風呂を沸かし、エアコンは使わず(今までも殆ど使ってないのですが)着膨れてパソコン(手書きにすべきか?)に向かっています。毎度の悪あがきですが12月は沢山のお客様にみかん山通信を読んでいただくのでかなり素敵な気の利いたことを書こう、と考えていたのです。ところが日常が素敵な暮らしとかけ離れているので、当然何の変哲もない気の利かない話になりました。計画では、ノーベル賞受賞者、山中さんのips細胞の今後の可能性や山中さんの尊敬すべきお人柄などについて語ろうかと目論んでいたのです。ips細胞には大変期待していますし1日も早くips細胞を活用して病に苦しんでいる人を助けて欲しいと願っているのですが、やはり私にはipsより大根やカブの話が似合っているみたいです。
皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい。

対岸に原発据るみかん山