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清家農園みかん山通信(51号)平成17年12月号

~ミカンは優良健康食品~

 師走とは到底信じられない暖かい愛媛ですが、この通信とみかんが皆様のお手許に届きます頃は師走らしい寒さが来るのでしょうか。2005年がすでに残り僅かだなんて「ちょっと待ってください」と言いたい心境です。きちんきちんと毎日すべき事を片付けてこなかったつけが回ってきたのですね。でもとっても嬉しい事もあります。今年のみかんはここ数年で最もおいしいと思われる味になってくれました。いわば通の味とでも言うのでしょうか。ただ甘いだけではない甘酸っぱい玄人味です。ミカンには発がん抑制作用や糖尿病などの生活習慣病の予防、認知症の予防と改善に加え、じょうのう膜(中の袋)には体内の脂肪を分解し脂肪の吸収を抑えるダブル効果があることが確認されました。従ってみかんを沢山食べると「太る」の「誤解」も「解消」されました。ばんざーい。
みかんとは関係ありませんが悲しいこともありました。私が大変尊敬しておりました岩村昇医師が亡くなられたことです。氏は愛媛の宇和島市(合併により清家農園も宇和島市になりました)出身で子供達の母校の宇和島東高校(旧制宇和島中学)の大先輩です。「ネパールの父」と言われた方です。若い頃母からよく岩村博士の話を聞きました。その度に『私も岩村博士のようになりたい』と思ったものでした。生憎、数学がからっきしダメで医師にはなれず百姓になってしまい、岩村氏の様に生涯を途上国のために捧げる事も出来ませんが半歩でも近づけるよう努力したいと思っています。岩村博士はクリスチャンで、宇和島の教会の日曜学校で聖書の『善きサマリア人』の話を尊信し隣人に尽くそうと実践されたそうです。何を隠そう私もキリスト教の幼稚園で「善きサマリア人」の紙芝居をいつも見ていました。「窓際のとっとちゃんのようだった」と母に言わしめた落ち着きの全く無い園児だった私ですがあの紙芝居は大好きでした。「あたいも倒れた人を助けてあげるんだ」と決心したものでした。五十数年前からマリア様のように優しかった園長先生のえき子先生は今もお元気で現役の園長先生をなさっていらっしゃいます。えき子先生、私は岩村医師のようにはなれませんでしたが生涯の生きる原点を教えてくれたのはあの『善きサマリア人』の紙芝居でありました。
 今日、隣の家に住み込みで働いていたフィリピン人が病気になって帰国しました。2、3日前にお見舞いに行きましたら『仕事はきつく大変だったけれど、あなたがいつも親切にしてくれたので僕は嬉しかった』と言われ、『ごめんね、何にも力になってあげられなくて』と言うのがやっとでした。彼の無念を思うとせつなくて、我が身の無力さを情けなく思いました。どうぞ日本を嫌いにならないでねアレックス。日本に来た時みたいに陽気で元気なアレックスに早く戻ってね。

ネパールの父の逝かれし十二月