清家農園みかん山通信(79号)平成22年4月号
菜種梅雨と言うのでしょうか、こちら愛媛は割合雨の日が多く、その上寒いのでまだ炬燵をしまう気になれません。遠目に見える山桜は寒さで長持ちしているようですし、染井吉野は散り際を悩みつつ頑張ってくれています。井戸端の木蓮が満開になろうとしていたところを、時ならぬ寒さの直撃にびっくり戸惑っています。庭の隅の花梨は怖々と言う感じでピンクの可憐な花を咲かせ、全然面倒を見て貰えないフリージアは地面に倒れ掛りながらも健気に芳香を放っています。菜の花も随分と長いあいだ辛抱強く咲き続け、今では貴重になりつつあるすみれも、あの深い紫をどのくらい開こうかと思案しながら寒そうにひっそり咲いています。みかん山の端々に生えていた蕨がなんと寒さで、立ち枯れてしまいました。次々新しい芽が出ては来ていますが、こんなことは初めてです。最近鶯の鳴き方が変わってきている気がします。一般には「ホーホケキョ」と知られていますが、近頃は「ホケホヨ」と鳴く鶯がほとんどです。みかん山で仕事をしながら「鶯なんだからホーホケキョと鳴きなさい」と何度もお手本の鳴声を教えてあげるのですがお手本が下手なので馬鹿にしているのか、一向に言うことを聞かず、聞く耳持たぬと無視をして「ホケホヨ」と鳴くのです。善一が「人間だって若者は若者言葉で話すんだから鶯の世界も同じなのさ」と言いますが私は人間に美しい言葉の伝承が必要なのと同じく、鶯の鳴声も正しく伝わっていかなければならないと思うのであります。江戸屋猫八さんに来ていただいて、「鶯としての正統な鳴き方」を鶯達に教えていただきたいぐらいです。 さて鶯はともかく人間の若者達も新しい学校や会社で新しいスタートの時期ですね。子供さん達が何をやりたいのか自分の意志が最も大切とは思いますが、お母さん達に部活選択について経験に基づいたお知らせをひとつ。野球部はユニフォームが真っ白なので毎日の洗濯がとても大変でした。ラグビー部も井戸端で砂や泥を落としてからでなければ洗濯できないほどのひどい汚れでした。どちらの部も靴下もドロドロだったので、私の手は何時も擦りむけていました。その点お奨めは水泳部です。水着叉は水泳パンツとバスタオルだけ、然も濡れているだけで汚れはほとんど無し、楽な事この上ありません。最も親孝行な部活だと思いました。以上大変参考になるアドバイスでした。夏は水泳部で親孝行、冬はラグビー部で親不孝をしていた次男がつい先日、愛媛新聞の「国際貢献」えひめ、という特集記事に活動や暮らし振りが詳しく掲載されていたのでびっくりしました。アフリカへ発ってから一年、あろうことか一通の手紙も寄越さず「一体どんな暮らしをしているのだろう、もしかして突然強制送還されて帰って来たらどうしよう」と心配していましたので嬉しかったです。わざわざアフリカまで取材に行ってくれた愛媛新聞社にとても感謝をしています。私たち夫婦も夏には次男の所へ様子を見に行き、ついでに三十数年ぶりに善一はタンザニア、私はケニアに里帰りをして来たいと思っています。安売りチケットの長旅に耐えられるよう体力を付けなければと言いつつ忙しさに追われ何もしていません。結婚以来、子供の為家族の為に働くばかりだった善一にとっても、きっと楽しい旅になることでしょう。今年は清美、デコポンは沢山収穫できました。清美の遅取りはまだ収穫していませんので5月にもお求めいただけます。6月中旬には爽やかなポメロ(河内晩柑)が収穫できます。我が家では温州とぽんかん以外のほとんどすべての柑橘類には一つ一つ袋を掛けて完熟にして収穫しています。どうぞ毎月それぞれのお味をお楽しみ下さい。 御贈答用(720ml・3本入り)無添加100%みかんジュース予約承ります。
菜の花と同じ背丈のとも子ちゃん