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清家農園みかん山通信(74号)平成21年11月号

 青い空に熟れたみかん、ダム湖には北の国から鴨が渡って来、石垣には真っ白な野菊が大きな花束を並べたように咲いています。「絵になる風景だなぁ」と、うっとり見とれてしまいそうになります。「そんな悠長なこと言っているのはお前ぐらいのものだ」と善一に言われますが、毎年こんな贅沢な恩恵にあずかる幸せに感謝しています。1年中で最も楽しい仕事、それはみかんの収穫です。三日程前から、「立冬も過ぎたのにこの暑さ」と言いながらみかん取りをしています。
日本中に新型インフルエンザが蔓延しつつある中、皆様お元気でお過ごしでしょうか。最近はほっとするようなニュースが少なく殺伐とした出来事ばかり目立っていますね。100年前も200年前も人々はそう言っていたとトイレで読んだ本に書いてありましたが、「そうかもしれないけど、それにしてもねぇ」と凡人は思ってしまいます。オバマさんや鳩山さんが一生懸命頑張ってもなかなか世の中そう簡単に良い方に向かっては動き出してはくれないようです。皆様のお宅ではこの半年の間に良いことがきっとお有りだったと思います。我が家の良かった事といえば平々凡々と日が過ぎていったことでしょうか。四人の孫が元気ですくすく育っていること、まがりなりにも健康で仕事が出来ること、みかんの木が沢山の実を成らせてくれたこと、自宅にはほとんど何の音沙汰もない次男が、JICA宛に、任地のマラウィで元気に過ごしている旨報告しているのが判ったこと、今年も沢山の子供達がハロウィン祭りを、楽しんでくれたこと、いろいろな国や職業や年齢の人達がみかん山を訪れて来てくれたことなどでしょうか。
しかし、つい先日にはとても心が傷んだことがありました。国からの最低限の社会保障を受けていたとはいえ、貧しさここに窮まれりという暮らし振りの方の死に、立ち会いました。数人ではありましたが親族の方がいらしたにも拘わらず葬儀も省略、かろうじて荼毘に附すにも、一本のお花すらなく、私は耐えきれず慌ててお花屋さんに走りました。自業自得といえばそうなのかもしれませんが、何という寂しい旅立ちであろうかと思いました。人としての生涯を通じての家族との関わり方、生き方を改めて問い直さずにはいられなかった衝撃的な経験でした。光通信が開通したのを機にパソコンを買い替えたせいで戸惑うことばかり、時間ばかりが過ぎてゆきます。ハロウィンの補助申請の活動報告や会計報告の書類もまだ全然手を付けていないし、16日にはアフガニスタンで寒さに震えている難民に救援医療を送らなければなりません。20日からは3泊4日で研修生がやってきます。あー困った、忙しいと思っていたのですが、私の「困った」などチョコレートのように甘いものだと思い知らされた出来事でした。ささやかでも平穏な毎日を暮らすことが出来る幸せと、働き者の夫にもっと感謝しなければと三日坊主ではありますが思っているところでありまする。

団塊の世代の総理秋うらら