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清家農園みかん山通信(150号)令和4年3月号いかなる国も、何があっても、この様な理不尽な事をしでかして人々の命を奪って良い理由など存在しません。自然も建造物も築くには何年も何百年も掛かりますが破壊は一瞬です。ましてや生身の人の命、生きていれば宇宙の彼方迄も考えることができ、測ることが出来ないくらいの深い愛情という心があるのに、武力の前ではひとたまりもありません。このまま行けば、またしても数百万の難民が生まれ、沢山の人々が死にます。世界中の人々が知恵を絞ってロシアの暴挙を止めなければいけないと思います。そうでなくてもコロナで人々の心は傷つき、トンネルの出口を探している状態ですのにその上に重ねて人々を苦しめる戦争を始めるとは、断じて許せません。それでは日本の片田舎でみかんを育て売っている私は、一体何が出来るのでしょうか?ここ数日、夫と私は何をすれば良いのだろうかと話し合っています。UNHCR(難民高等弁務官事務所)やユニセフ、その他NPOへのマンスリー(毎月の引き落とし寄付)は出来る限りやり続けようと思っていますが、東北大震災の時は貧者の一灯だけでは足りないと思い「泥除けに行く体力もないし、やっぱりみかんだね」ということで、東北に住む友人を頼って毎年保育園や老人施設や役場にみかんを送ることにしました。今でも細々と続けていますが、3年前の西日本豪雨の時は被災者として、沢山の方々からいろいろなお気遣いや励ましを頂いて心強く嬉しく元気が出ました。 ウクライナは36年前にチェルノブイリ原発の事故でひどい目に会いました。我が家から30キロ圏内にも伊方原発があります。もし原発事故で故郷に住めなくなり、その上に戦争が起こり侵略されたらみかん作りなど夢のまた夢、それこそ流浪の民にならねばなりません。今、ウクライナにみかんを送る事は出来ませんので、一般庶民たる私は一体何をしたら良いのかと悩んでいます。他人事とは思えないのです。 数日前、カンボジアで地雷処理をしている高山さんが地元の小学校に講演に来てくれました。毎年夫が中高生を連れて研修に訪れる、高山さんが住むタサエン村は、ポルポト軍が最後まで抵抗していた激戦地だった所で、至る所地雷が埋まっていました。戦争が終わり農地として開墾していた農民が大勢地雷で命を落としました。高山さんのNPOは285ヘクタールの土地を安全な農地に生まれ変わらせましたが、カンボジアの全土にはまだ気の遠くなるような地雷や不発弾が埋まっているとの事です。「戦争は終わった後も何十年もその上も延々と人々は苦しまなければならない。」と彼はいつも言っています。平和の為に命を懸けて地雷処理をしている高山さんをささやかでも支え続けてゆこうと仲間たちに呼びかけています。かくして戦争ほど酷いものはないと世界中の人々は経験し尽くしているのです。あぁ、それなのに何故戦争を始めるのでしょうか? どうぞ一日も早くウクライナや中東に平和が戻り、そしてコロナが収束しますように。 4月はデコポン 清見タンゴール ジュース各種 ございます。 廃園の無常菜の花明かりかな |