清家農園みかん山通信(89号)平成24年2月号
ほんとのみかん清家農園
http//mikanyama.com/ (みかん山どっと混む)
「寒い さむいー」と山程着膨れて毎日を暮らしている内に1月は去ってゆきました。それでもお天気の良い日にみかん山で働くとぽかぽかと体が温まり汗をかく程ですが、陽の当たらない時雨気味の日は手も足も冷えて泣きたくなります。と、いかにも一人前のように書きましたが、最近の私はほとんど事務員と化し電話を握っているか、パソコンの前でピコピコとメールや送り状を書いたり計算をしていることが多くなり、農家のおかみさんですと胸を張っていいのかなぁと悩むことがあります。ホームページを開設以来その傾向は益々増えています。昨年は3月11日の災害に加えて、年末に二人も親しい友人に逝かれ、人の命のはかなさと無常が身に染みたはずですのに家の中は相変わらず乱雑で余計に切なくなります。などと言いながらも毎日の生活が飛ぶ様に過ぎてゆく中で、五と七と五の言葉をただ並べただけの拙い俳句を添削して載せて下さっていた結社が突然休刊になり戸惑っています。いつも締め切りに間に合わないどうしようもない末端の弟子でしたので先生に訊ねることもままならず途方にくれています。青色申告も背中に重くのしかかっていますがまだ全く手付かず、これからの提出までの日々を思うと胃が痛くなります。あれこれ楽しくない話で申し訳ありません。手軽に楽しいことないかなと考えあぐねた末、気持ちを幸せにするには「食」だと一人合点し、奮発してイタリアンか中華料理のお店にでも行こうかと思ったのですが何か違う気がして、伐採したみかんの木でお風呂を炊いていると、お客様から頂いていたさつまいもを思い出しました。早速アルミホイルに包み、薪の下の方に突っ込みました。暫くして美味しそうな焼き芋のいい匂いがしてきました。少し火力が強過ぎたのか外側の皮が黒く焦げていました。もったいないと呟きながら黒焦げの部分を剥いて中のお芋をハフハフと口に入れ味わった時の、「これだ!」という幸福感。ふと見上げると満天の星空。
焼き芋と星空でこんなに幸せに思えるなんて今まで気が付きませんでした。
今ほとんどの日本人にとって、呑気なことを言ったり書いたりしたりしていると何となく後ろめたい気がしてしまうのは仕方のないことなのかも知れませんが、時にはその人の身の丈に合った楽しみを見つけて「幸せな気分」に浸るのも必要なのではと思います。ここで失敗談をひとつ。1月末、県都松山沖の興居島で伊予柑を収穫、箱詰めして東北に送るという、愛媛県の協力隊OV会の活動にOV3名を擁する清家の代表ボランティアとして参加した央樹、子離れしていない口うるさい母ちゃんの恭子から朝も早よからAM4:30大騒ぎで起こされ「ほっといてよ」と怒りつつも、2時間近くの道のりを車で走り、迷いながらも集合場所の松山高浜港にAM7:15到着。ところが誰もOVが来ていない。OV会会長に電話すると「明日です」の一言。Oh my godとすごすご帰って来ました。父親の善一でしたら怒鳴って怒るところですが(善一はこんなヘマはしない。)私の血が半分入っているせいか?「ちゃんとメールを確かめなかった僕も悪い」と私を責めもせず、次の日は自分で起きて港まで100キロ余りの道を懲りずに出かけて行きました。私こと恭子は「済まないねぇ」と思いつつ眠たかったので寝ていました。夕方「すごい傾斜地だったけど楽しい作業だった」と晴れ晴れと帰宅。2日間の早起き遠出でさすがに疲れたと見えて、その晩はお風呂にも入らず寝入っていました。以上、原発迄海を隔てて30キロ程の我が家の日常でした。たまには気の効いたことを書きたいなどと分不相応な高望みをしたのですがやっぱり無理でした。 ジュース予約承ります。
IT(アイティ)も少し取り入れみかん売る