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清家農園みかん山通信(97号)平成25年4月号

 絢爛と咲いていたのも束の間、「三日見ぬ間の桜かな」のとおり入学式も待たずして桜吹雪が舞い、ピンクに染まっていた遠山も若葉色になりつつあります。便利に使っていた畑のブロッコリーも可憐な菜の花になって今度は目を楽しませてくれています。何年振りかに植えた赤とピンクと黄色のチューリップ、気が早いのは咲き終わりのんびり屋さんは今から咲こうとしています。まるで夫と私みたい。
 最近、アベノミクスという言葉が頻繁に飛び交い、この数日で株やFXで何百万円どころか何億円も儲けた人がいるなどとマスコミが騒いでいます。東北のことなどすでに殆んど話題にも上りません。またバブルが来るのでしょうか。砂上の楼閣はもうごめんと思うのですが、以前のバブルで年金生活者や低所得者は恩恵を受けたのでしょうか。今度こそ格差が縮まり、震災の復興がぐんぐんと進むのでしょうか。みかんの御礼の電話を留守電を含めて3回もして下さった飯舘村の村長さんの、想像を絶する修羅場を今も戦い続けているとは到底思えない、穏やかな優しい声が耳の底からいつも聞こえてきます。バブルとは縁のなかった我が家にとってアベノミクスはお金持ちの所にまたお金が集まるような気がしてどうも信用出来ません。先日、散り急ぐ桜の花びらを孫が必死で掴まえようとしていましたが花びらはひらひらと風に乗り、孫の手は空を掴むばかりでした。恩恵は弱い立場の者にはそう簡単に手に入るものでは在りません。一晩で何億も儲けてヘリコプターでおソバを食べに行く人や、何千万円の家具に囲まれて暮らす人達には仮設住宅の人々の暮らしなど想定外なのでしょう。富の偏在を正すにはお金持ちの二世三世の政治家ではやっぱり無理なのではと思うのですが。さりとてどこの政党も頼りにならず、もどかしく頭が痛いことです。希望に燃えたスタートを迎えた方も沢山いらっしゃる春だというのにちょっと暗めのお話で済みません。実は4月のエース、デコポンと3月のはるみが一部寒害を受けて比重が軽くなってしまいました。一般に販売されている柑橘は完熟前に収穫して貯蔵し随時出荷というのがほとんどですが、我が家のはるみ、せとか、デコポン、清見はすべて袋を掛けて越冬させ完熟してから収穫しています。温暖化が進んで越冬栽培が可能になったのですがリスクもあります。数年に一度の低温を伴う寒気です。海風が当たる尾根筋は良いのですが少し低い所にある樹園地は寒気が停滞することがあります。これが寒害の要因です。選果箱詰めの際には何百もの果実を包丁で切ってみて中身が充実しているかどうかを調べていますが、何しろ中身が見えませんので長年の感で比重が軽そうな実をハネるしか方法がありません。掌の上に実を乗せて何度も何度も比重を計りますが集中力が途切れると「アレこの重さでよかったかな」とわけが分からなくなります。販売はお客様の大切なお金を頂戴するのですから真剣勝負なのですが,正直自信が揺らぐ時があります。長い言い訳になりましたが今年は特別措置としてデコポンを値下げ致します。みかんの栽培は自然の恵みで成り立っているのですが時に自然から思わぬしっぺ返しをされる時があります。人間の営みは自然の前ではとても小さなものと頭を垂れ、また思い直して来年の収穫に向けて頑張るしかありません。
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(どなたか添削指導して下さい。)

鴨引いてダム湖に残る憂いかな