清家農園みかん山通信(110号)平成27年11月号
秋も深まってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。愛媛はここ数日急に秋めいて、朝晩は涼しいを通り越して暖かいフリースの上着が欲しい程です。今日、最後まで残しておいた半袖を仕舞いました。初秋、いかにも長旅から戻って来ました、という感じで遠慮がちに泳いでいたダム湖の鴨達も今はまるで昔からの住人のような風情で家族揃ってくつろいでいます。「途中で脱落した鴨も居ただろうなぁ」と思ってしまうのは穿ち過ぎor歳のせい? 県道脇の田んぼを突っ切って小さな橋を渡り坂道を登って、放射線計測器が設置されている、桜の咲く春以外誰も訪れない日中友好公園を過ぎると、左手にダム湖があるので毎日のように鴨ファミリーの観察ができます。ダム湖沿いを右折してくねくね道を更に登ってゆくと我が家があります。標高約60M。我が家から上には2件の家のみで、その先に人家は無くみかん山ばかり。自称、世界屈指の景勝地!!!昨日は文化の日でしたが、ここ吉田町は秋祭りでした。それはもう絢爛豪華な時代絵巻のような山車のお練りのほか神輿、宇和島藩(仙台藩ゆかりの伊達家)の支藩である吉田藩にまつわる優雅な八鹿踊りや二階建て程もある牛鬼(頭は鬼、体は棕櫚でできた牛と言うより山のような形)も加わり大賑わい。普段は人影もまばらなひっそりとした田舎町なのですが、さすがお祭りともなると沢山の人出です。街中はお祭りムードでいっぱいですが、郡部にある我が家の周りは、早朝に子供達が担ぐ小型の牛鬼(子供の数が減ってしまい、胴体はトラックの荷台に乗せて運ぶ)が「オーエー」の掛け声と共に頭のみ担いで訪れる他は普段と変わらず静かなものでした。子供達が小さい頃は朝からお寿司やご馳走づくりに大わらわでしたが今は昔のこととなりました。そういえば息子は集落の入り口に立てる幟の当番で、前日に頑固親父が用意しておいた堅木(幟最上部の飾りにする樫の枝)を積んだ軽四で朝早くに慌てて出て行きました。もっとも勤勉な農家はお祭りどこ吹く風でせっせと蜜柑穫りをしています。我が家は昔からお祭りは当然休み。とは言え午前中は夫婦で玉ねぎ苗を植えたり豆に支柱を立ててネットを張ったりしました。みかん以外の農作業はこの辺りでは仕事とはみなしません。自家用の野菜の世話は生活が掛っていないので、気楽な遊び事なのです。いつものように急き立てられることもなくのんびりとした作業は楽しかったです。
お話変わって今年の夏はカンボジアに行ってきました。今年も日本の夏はうんざりするほど蒸し暑かったですね。カンボジアも同じでした。吉田町国際交流協会では、青少年派遣協会に委託して毎年中高生をカンボジアに派遣しています。会員の会費のみで賄っているのでだんだん資金も乏しくなり、おまけに派遣協会のカンボジアへの募集も無くなりました。そこでカンボジアに住む隣町出身の高山さんにスタデイツアーを引き受けていただこうと目論んでその下見にお邪魔しました。高山さんはNGOを立上げカンボジアで命をかけて、地雷処理をし、学校を建て、村人から長老として尊敬されている方です。この話は12月号で詳しく述べます。
肝心の今年のみかんの作柄ですが、9月は雨が多すぎて心配でしたが10月に入って毎日晴天が続き、昨日は待望の雨が降り、酸抜けも上々。甘味と酸味の調和のある美味しいみかんになりました。昨年の蜜柑は大味で酸味も甘みも足りませんでした。そんなみかんを「自然相手のものは思うようにいかない時もありますよ」と言って逆に励まして下さったお客様方に心からお詫びとお礼を申し上げます。暖かいお言葉に甘えず美味しいみかん作りに励みます。
ほんとのみかん清家農園 http://mikanyama.com/
原発の避難訓練秋うらら