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清家農園みかん山通信(132号)平成31年3月号毎年恒例青色申告。遅まきながらやっと息子にバトンタッチをしました。「やれやれ」と言いたいところですが事はそう簡単には進みませんでした。指導者のつもりの私と理屈先行の息子、丁々発止、品のない言い合いを何度も繰り返した挙げ句やっと終了。数字に弱い私は農協の青色指導員や県事務所の普及員、怖い税務署に通い詰め、先にパソコンの農業簿記に取り組んでいた友達にも「こんな事が解らないのか」と思われながら恥を忍んでしつこく尋ね質問し、ノートに詳細に記録し、農業簿記ソリマチのパソコン操作本を何度も読み返し(自分で言うのもおこがましいですが)涙ぐましい努力をして何年もかかってやっと体得した青色申告のやり方と知識を、息子はいとも簡単に手に入れクリアしてすましています。理不尽な事この上ない!と思いつつ、怒るべきなのか?喜ぶべきなのか?迷っています。よくよく考えれば、驚くなかれ息子は何と合計21年間も学校に通っていたのですから(全く気の長い話です)青色申告ぐらいスイスイと終わらせていただかないと、脛が無くなるほど噛じられた甲斐がないというものです。申告終了に安心したとは言うものの、こけつまろびつ自分自身で終わらせた昨年迄程の達成感、開放感は得られませんでした。やはり何でも苦労しないと報われ無いのかなと思いました。でもこれでいいのだ!次々あらゆる事をバトンタッチして肩の荷を下ろし自由になるのだ!息子の歳を考えれば10年以上前にバトンタッチを済ませて置きたかった。とっくの昔に継承を終らせ、内孫に囲まれて幸せそうにしているご近所さんの様に1日も早くなりたいと憧れているのですが、その前に立ちはだかる大きな氷河のようなお嫁さん問題。愛媛県では有名な詩人の坂村真民さんの詩に「念ずれば花開く」という一節がありますが念じても念じても一向に花が開いてくれません。真民さん!念ずるのにも疲れてきました。 2月の半ば災害後に倒れ闘病していた友が亡くなりました。災害疲れもあったと思います。東京の大学でみかん農家の長男のご主人と知り合い、北海道から嫁に来て四人の子を育てよく働き、よく人のために尽くし、欲のない、リーダーシップがある我慢強い人でした。実家が遠く親戚も兄弟も同級生も誰ひとり居ない農家の嫁という共通点があったのでお互い励ましあって、一緒にボランティア活動をしてきたかけがえのない妹のような存在でした。彼女がもうこの世に存在しないということを認めたくないというのが今の私の正直な気持ちです。私より3歳若かったので姉さん風を吹かしては「もっと自分の体を大事にしなさい」といつも叱っていたのに、彼女は駆け抜けて逝ってしまいました。まだあちこちに残っている土嚢袋や瓦礫の山が見えてしまうせいではなく、存在しなくなって見えなくなってしまった人や物や事に、皆、口には出さなくても辛い思いをしているのかもしれません。福島や東北を始め災害にあったすべての人々の現実の重さが今更ながらずしりと重く胸に感じるようになりました。 本当は怠け者で遊び大好き人間なのに仕事人間の仮面を被っている私は早く仮面を投げ捨てて遊び人間にならねばと焦っています。でもやっぱりその前に嫁問題を解決せねば! 皆様乞うご紹介^^ 4月はデコポン 清美とジュースです。 前山の崩れしままに笑ひをり |